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傑出したリバイバリストの突然の活動停止

傑出したリバイバリストの突然の活動停止_e0079743_16144141.jpg 他の宗教団体や信条をとやかく言うことは避けたいが、出版で公にしていることでもあり、自由に感想を抱いたり、ある程度それを書いたりするのは、もちろん許されるだろう。

 前回の記事冒頭で触れたが、『ハーザー』9月号を入手した。この雑誌は近年のキリスト教運動のなかで育ってきたカリスマ派、聖霊派のなかの一つの運動を日本で代表する月刊誌だ。

 9月号は、「レイクランド・リバイバル」と呼ばれる、現在開催中のリバイバル集会の紹介と、その中心人物、伝道者トッド・ベントリーの特集が組まれていた。15ページにわたってかなりな量のレポートが載せられている。

 私は同じキリスト者ではあっても、近年のリバイバル運動にあまり詳しくないので、えらそうなことは言えない。それでも、「えっ?!」とびっくりするような刺激的な内容で、質問がいっぱい心に浮かんででくる。

 雑誌の特集から、ほんの一部だけ紹介しては誤解を招きかねないので、詳しくは該当誌をお読みください。ここでは、容認される程度の引用にとどめます。

(この『ハーザー』誌よりあとに出た、8/31日付けの「リバイバル新聞」の報道によると、中心人物、ベントリー氏は、カナダの法律に従って妻と別離状態にしたいと申請し、9ヶ月の期間を待って変化がなければ、離婚ということになるらしい。そこで彼は役職を退き、すべての活動を中止したという。現在、個人カウンセリングを受けることに専念しているという。)

死者も生き返ったいやしの集会?
 ベントリー氏による集会について5ページにわたってレポートしている坂 達也氏(米国在住 Walk With God Ministries 主管)によると、フロリダ州、レイクランドで開かれているリバイバル集会で、死者の生き返り(!)があったという。

 「集会では実際に相当ないやしが起こっている。すでに二日以上死んでいた26人が生き返ったことが確認されており・・・」

 記事には、その他の目覚ましいことや、ベントリー氏の活動の紹介が続く。

 「録画されたビデオを見たり、携帯電話で話すだけで末期がんがいやされたりもした」

 「ベントリーのミニストリーほど論争と物議をかもしたミニストリーはほかに例をみないと言われる。(略)リバイバルと呼ぶのを差し控え、聖霊のアウトポアリング(溢れ出ること)と呼ぶにとどめている」

 「麻薬中毒者で五度の刑務所入りしたベントリーは、18歳のとき救われた(キリスト信仰をもった)。22歳で劇的なイエスとの出会いがあり、イエスご自身から按手を受けてミニストリーに入った。それ以来10年間で100万人を救いに導いたという」

 私には「イエスから直接按手を受けた」とか、「10年間で100万人を救いに導いたという」という言葉は不可解で理解できない。

乱暴(暴力)は主の願いだろうか?
 「時折、乱暴を振舞う。ある時、彼はいやしを願う病人に突進して体当たりした。けったり、叩いたりすることもあった。事もあろうに、か弱いご婦人の腹をけったり、頭をたたいたりしたのだ。しかし、その瞬間に癒しが起こったのだ」

 これもびっくりするが、このことで一度も訴訟になったことがないと書かれている。

 著者の坂氏は言う。「誤解しないでいただきたい。彼が時に『乱暴を働く』のは、主にそうせよと言われて、それを忠実に大胆に行なったに過ぎないのだ」と。

 「乱暴したのは私ではない(責任はない)、主の指示を忠実に実行しただけだ」と言いたいのだろうか? これも不可解な発言で、私には理解困難。

 そこで、ベントリー氏がそれをためらいつつ行なうと、神はやりなおしをさせるそうだ。「かなり正確に主の声を聞き分け、忠実に実行」する者として、大胆に乱暴を実行するらしい。そして、「いやしがその通りに起こる」のだという。

 私はつい心配してしまう。こうしたことを容認したら、もっと危ない命にかかわることを「主がおっしゃった」「示された」「夢で見た」と忠実に実行する人が出たらどうなるのか? これは、イエス・キリストの教え、なさり方だろうか?

 こうしたことが発展していくと「暴力容認(すでに暴力のレベル)」「先制攻撃容認」「戦争容認」に結びついていかないか?(そうならないよう願う。)

 坂氏は、「(彼に)あいまいなところはほとんどない」「神の忠実な代弁者になり切っている」「見ていていてよくわかるので信頼がもてる」「神が立てられたリバイバリスト」と文中で述べ、キリストが再臨する終末の「最後の大リバイバルの火付け人の一人であることに、私は少しの疑いも持たない」と自らの識別力で断言し、最大の賛辞と支持を表明して文章を結んでいる。

 う〜む。個人がどう思うかは自由にしても、疑問は最後まで私のうちに残る。

傑出したリバイバリストの突然の活動停止_e0079743_16142724.jpg仏教の偉大な伝道者は喜ぶか?
 今日、電車のホームの壁に張ってあった報道写真に気付いた。浄土真宗の指導者、親鸞の真影(絵 国宝だろうか?)が納められた厨子が50年ぶりに修復されて、金ピカの神殿(厨子と言っているが、こりゃ神殿でしょ?)が完成したという。

 信者たちの尊い寄進でできたのだろうが、質素に生きた親鸞がいま生きていたら、貧困がなくならない世界で、こうして奉られ、神のように飾り立てられるのを見て、喜ぶだろうか?

 ここでも私は、多いに疑問を抱かざるをえない。