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この夏の悲しい出来事──ある短期宣教師の召天

 今年の夏は、ショックな出来事があった。私が関係する伝道団体で奉仕するために、夏の期間だけ短期宣教師としてアメリカから日本に訪れたジョン・リーさんという、主にある兄弟が水死してしまったのだ。7月31日だった。韓国系の父を持ち、日本人に対する憎しみの言葉を聞きながら育った米国人だ。父はその後、キリスト者となり、日本人に対する態度も変わったという。

 日本の学生と一緒に、伊豆の大島でキャンプをもったが、そこでの事故だった。残念ながら私はお目にかかる機会がなかったが、私も学生伝道で長いあいだ働いてきたし、夏のキャンプにもたくさん参加してきた経験があるので、いつも関心を持って祈っていた・・。

ご遺族の示した態度
 近くにいる人も気づかないまま、短い間に水死してしまったのだという。地元の警察も、水死ということでその事故を扱ったそうだ。ジョンは、日本のICUで短期間学んだことがあったり、大学のバレー・ボールのコーチだったり、15年以上もサーフィンを楽しんだりしたスポーツマンだったのに・・。よく親しんできて、その危険性も知っているはずの海なのに、なぜなのだろう。
 神さまは私たちの理解できないことを、ときにお許しになる。
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 私は8月最初に、この出来事を緊急のEメールで知ったが、詳細は分からなかった。キャンプを指導した責任者の友人たちとも、この出来事の対応で追われたため、連絡がとれないままだった。そして、遺体をアメリカに搬送するのに付き添い、すぐに日本を飛び立った。いちばんつらいのは、その出来事の場に居合わせ、アメリカまで搬送した友人たちとジョンのご家族だろう。

 あとで聞いたことだが、お父さんは牧師をしていらして、遺体を届けたとき、日本側に対して何も問いつめたり、質問責めにしたりせず、静かにその事実を受け入れなさったという。それが、米国を訪問した際、友人がいちばん感動したことだったと聞いた。

記念のサイト 
 私は最近、彼を追憶するためのサイトが作られていることを知った。亡くなった1週間もたたないうちにできたらしい。そこには、彼の生涯をたどる写真集、友人たちの言葉が寄せられたブログがある。サイトを見た人で故人の思い出の写真があったら、Eメールで担当者に送ると、随時、追加されるようになっている。
 私は初めてこのサイトで、本人の写真を拝見することができた。素晴らしい紳士!

 短期間とはいえ、日本人のために来ていただけてありがたいと思うが、このような不可思議な出来事には、とまどうばかりだ。悲しみに耐えながらも、心から彼に感謝する友人たちの言葉の数々に、ジョンがどんなに素晴らしい人だったかが偲ばれる。そして、彼を懐かしむ言葉の数々に涙がにじんでくる。
 私のできることは、彼が今年の夏、日本の若者の魂のために奉仕してくださったこと、彼のさわやかな笑顔や存在をときに思い出して、彼と神への感謝を忘れないでいることだろう。

 彼の生涯を私たちへの贈り物とした神のご計画は、これから実を結ぶんでいくに違いない。

ジョン・リー兄の追憶サイト

写真集、友人の言葉が綴られたコーナーがある。