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e0079743_2002562.jpg ながらくお待たせしました。あめんどうによる新刊の発売です。

   『すべて新たに』
スピリチュアルな生き方への招待
原書:Making All Things New     An Invitation to the Spiritual Life

著 者  ヘンリ・ナウエン
訳 者  日下部 拓
四六版並製 104頁
定 価 1,050円
(1,000円+税)

発売予定日
 2009年6月15日


──この二、三年の間に多くの友人から、「あなたがよく話す、スピリチュアル(霊的)な生き方とは、どういう意味ですか」という質問を、ことあるごとに受けてきました。短時間で読むことができ、かつ霊的な生き方とは何かを説明するだけでなく、「実際に自分もそんな生き方を始めてみたい」と思わせる冊子があっても悪くないと感じていました。そんな気持ちから、この本を書くことにしました。

──私たちは、思い煩いでいっぱいの世界で暮らしています。多くのすべきことや心配事で占められ、同時に退屈で、恨みがましく、気が重く、しかもひどい孤独を感じています。このような世界のただ中に、神の御子イエス・キリストが現れ、新しい命、神の霊にある生き方を差し出してくださいました。

──スピリチュアルな生き方を始めるのが困難に思えるのは、思い煩いを生む力があまりに強いばかりか、聖霊の臨在が、あまりに気づきにくいように思えるからです。けれども、忠実に修錬を続けるなら、新しい渇きにおのずと気づくようになります。神への新たな渇きこそが、神の臨在の最初の兆候なのです。(本書から)

 本書は、現代人の典型的な心の問題、「退屈」「恨み」「抑うつ」という感情を入口に、どのようにしたら私たちの生活を「思い煩う」生き方から、「神の国を第一に」求めるスピリチュアルな行き方に変えていくことができるかを案内します。

 100頁ほどの小品ですが、ナウエンらしい人間理解の叙述と、霊的生活への歩みへのステップを分かりやすく描いている好著です。訳者は、米国シアトル在住の長老派教会の牧師。太平洋をはさんでの制作が進行しました。

<訳者あとがき>から
「霊的な渇きを覚えているのに、どうすれば霊的に潤った生活ができるか、実際に何をすればよいか分からない。あるいは、信仰をもって何年にもなるのに、霊的にどれほど成長しているのか分からない・・・。
 ナウエンは本書で、そんな私たちが求めていた核心にせまるメッセージを、シンプルな、しかし選りすぐられた言葉で、静かに、だが力強く語りかけてくれます」

ご期待ください。
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 しばらく休みました『クリスチャニティ・トゥデイ誌』が選んだ宗教思想書100選シリーズ第7弾です。
 各書の解説は、ネット上の資料をもとに、自分なりに短くまとめたものです。
 冒頭の番号は、「パート(1)のベスト10」だけが順位を示します。残りは、何冊目かを示すカウントダウンです。

60 『キリストと文化』 H.リチャード・ニーバー 著  赤城 泰 訳 日本キリスト教団出版局 (2006/02) Christ and Culture by H. Richard Niebuhr
 ニーバー(1894-1962)は、「静穏の祈り(平和の祈り)」で有名なラインホルド・ニーバー(1892-1971)の兄弟で、20世紀のアメリカの神学者。彼は本書で、キリスト者のこの世界との関係を五つの型に分類した。

1)「反文化的キリスト」 文化を徹底的に否定
2)「文化のキリスト」 信仰と文化を同一に見る。この世と妥協する。
3)「文化の上に立つキリスト」文化は理性、信仰は啓示として二つに切り離す。
4)「矛盾におけるキリストと文化」 ルターの「二王国説」が典型。キリスト者は「神の国」と「地の国」の両者に属し、両者に従順であることが求められ、葛藤がある。
5)「文化の変革者キリスト」 文化を否定せず、「神の国」と「この世」に分断されていると考える。現代の文化の中で生きながら、キリストのみこころを識別し、選択することが求められる。

 ニーバーは、この5)のありかたを推奨しています。
 最近、『アメリカにおける神の国』H・リチャード・ニーバー著(聖学院大学出版会、3,150円税込)が発売になった。

参考 ニーバー兄弟について
現在、よく話題の 「レスポンシビリティとアカウンタビリティ」についても先駆的に述べている。

59『イエス像の二千年』(講談社学術文庫)  ヤロスラフ ペリカン 著 Jesu through the Centuries by Jaroslav Pelikan(1923年-2006年)
 アメリカの神学者。マルティン・ルター全集(通称ペリカン版)の編纂者。
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(出版社の紹介より抜粋)
イエスは2千年にわたり、その生涯と教えをとおし、人間の存在や運命についての最も根本的な問いへの答えを、時代に応じて表現してきた。本書は、各時代の特徴を語るさまざまなイエス像を浮かび上がらせ、歴史の中に位置づけ、その時代の精神を明らかにした稀にみる労作。
 現在、『キリスト教の伝統 教理発展の歴史』のシリーズが教文館から刊行中。

58 『善人はなかなかいない フラナリー・オコナー作品集』 著、横山 貞子訳 A Good Man Is Hard to Find by Flannery O’Connor
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「MARC」データベースより
自分の都合で誰かが邪魔だと思い、その人にいなくなってほしい、との思いから殺人を行う主人公たちを描く5篇を収録。短編の名手による、暴力と殺人とユーモアと恩寵。

 著者( 1925-1964)はアメリカ人。大学生のころから小説を書き始める。アメリカ南部に暮らす人々を描く。かなりユニークなカトリック教徒。紅斑性狼瘡という難病で、39歳で亡くなる。フィリップ・ヤンシーは自分の著作で彼女によく言及している。多くの著作が訳されている。(私は読んだことありません。誰が読んだ人いますか?)

57 『聖なるもの』 (岩波文庫)  ルドルフ オットー 著 山谷省吾訳 (Rudolf Otto 1869年-1937年 The Idea of the Holy)

 ドイツのプロテスタントの宗教哲学者。キリスト教というより、哲学から宗教を見たらどうなるということを研究。宗教史をたどって、神聖なるもの、聖なるものへの感情を「ヌミノーゼ」と名付けて聖なるものの概念を追求。
 神秘学、罪、宗教哲学概説、インドの神話学についての著作もある。非合理的で情緒的なものこそが宗教の中核を成すとして、以後の宗教研究に大きな影響を与えた。
(この本は、ずいぶん前から岩波文庫にあることは知っていましたが、読んではいません。日本でも知られた本ですね。興味深いです。)

56 『アガペーとエロース 基督教の愛の観念の研究』(新教出版社)ニーグレン著 岸 千年、大内 弘助訳 (Agape and Eros by Anders Nygren)

 50年くらい前に邦訳が発行。現在、図書館か中古でしか手に入らない。スウェーデンのプロテスタントの神学者。その他彼について日本語資料はあまりない模様。
 (以下のブログーリンク先参照ーで、この本のよい紹介がありました。ここでのエロースとは、現在の俗説でなく、哲学におけるエロースのこと。

「Good News Collection」
アガペーとエロース その1
 基本的な語意、定義
アガペーとエロース その2

 エロースとアガペーの対比が面白い。
その中から、一部抜粋

エロースは、自己のための善の欲求である。
アガペーは、自己を与えるものである。
エロースは、上昇せんとする人間の努力である。
アガペーは、上から降ってくる。
エロースは、人間が神に行く道である。
アガペーは、神が人間に来る道である。
エロースは、人間の功績であり、救いを得ようとする人間の努力である。
アガペーは、無代価の賜物であり、神の愛のみ業である救いである。(以下略)

こんなまとめも書いてありました。

「エロースの見地からは、善悪の倫理的二元論の背後に、精神と物質の形而上的二元論が存在している。(略)従ってエロースの倫理は決まって禁欲主義に向かう傾向を示す。アガペーの倫理において、罪は霊魂が肉体のうちにあることと何の関係もない。罪は神に対する不従順と神を拒否することにおける意志の堕落である」
詳しくは上のリンク先へ。

20世紀の宗教書100選 パート(4)No75-71
20世紀の宗教書100選 パート(5)No70-66
20世紀の宗教書100選 パート(6)No65-61
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 名古屋の大学で教えている親友が、ユーチューブに動画を投稿したという知らせをいただいた。
 エジソンが発明した蓄音機(再生機?)や、他の蓄音機の音を音楽をシリーズで紹介している。
 地元のFM放送でも番組をもっているらしい。
 ほんと、レトロな趣味を授業にしてしまう、彼の面目躍如だ。

 映画の故淀川長治さんには似てないけど、蝶ネクタイなんかしちゃって、淀川さんに似た味(?)を出しているところが、ちょっとおかしい。

 彼は知覚障害者を支援するための研究活動をしているのだが、この動画では、エジソンに聴覚障害があったエピソードを前半で披露。なかなか興味深い。そして、後半から流れる蝋菅に記録された音楽は、有名な賛美歌だ。

 いろいろと工夫しているね。


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e0079743_23173229.jpg 新しく「読者の反響」というカテゴリーを作ってみました。

 今日は、連休明けに届いた葉書一枚(本に挟んであるカード)。


「生涯、もっとも感動した一冊です。
 人の成長と発展について真理をついていると思いますし、
 ある意味で全てとも言えます。
 教会関係者ならずとも、教育にたずさわるすべての方に読んでいただきたいと願います」
                        (仏教徒 男性40代) 




 キリスト者でなくても届く、ナウエンのメッセージに驚きです。
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 今年は、開国150周年とうことで行事が行われるようですが、いま出版界で衝撃を与えている一番ホットな話題は、「グーグルブック」です。インターネット上で、あらゆる書物が全頁読めてしまうという可能性がある問題です。

詳しい解説は以下のサイトにおまかせしますが、裁判が起こされた結果、「和解した」とのこと。そして、これは日本の著作権者にも影響するのです。
 それにしても現在の出版ビジネスを圧迫することが目的ではなく、その利用範囲は限定されるでしょうが、本ブログを読み、著作権者である方は、自分の著作物を検索してみてはどうでしょうか。

 もしデジタル化されていたら、グーグルに申し出ると、お金を受け取れます(1冊60ドル)。また、いろいろと制限を付けることもできそうです。

グーグルが日本に迫るデジタル開国
グーグルブックへ
ウィキペディアでの記事

 ちょっと前まで5月5日までに申告せよということでしたが、9月4日までに変更されたようです。

 日本では慶応大学、米国では、ハーバード大学、スタンフォード大学などの大学図書館、公共図書館が膨大な資料を提供。本をどんどんスキャニングしてデータ化しているようです。

 著作権が切れたもの、昔の図書など、研究者にとってはうれしいかもしれません。慶応大学が協力しているから、福沢諭吉の全著作がネット上で、すべて無料で読むことができるかも知れません。
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