カテゴリ:読書・音楽・美術・映画( 69 )



 主があなたを祝福し、
 あなたを守られますように。
 主が御顔をあなたに照らし、
 あなたを恵まれますように。
 主が御顔をあなたに向け、
 あなたに平安を与えられますように。
 (アーメン)
  (民数記6章23〜27節)
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e0079743_2221324.jpg 暴力や憎しみの連鎖がさらなる大規模な暴力を生み出しそうな予感がする現代。
 いつか録画していた映画『ガンジー』(監督:アッテンボロー)をふと思い出して見始めた。

 自分の始めた非暴力、不服従(無抵抗主義ではないという)が脱線し、暴動が全インドに広がろうかというとき、彼はその沈静化を願って、自分の体を痛めつける「断食」という手段に出る。
 そのとき、横たわって弱りきった体から絞り出すように側近に語った言葉に、心がとまった。


 私は絶望に陥ったとき、人類の歴史を思いめぐらす。
 勝つのはいつも真実と愛だ。
 暴君と殺りく者は一時は無敵に見えても、結局は滅びてしまう。
 そのことを忘れてはならない。
 
 それが本当に神の道かと迷ったとき、正しい道だろうかと迷ったとき、
 歴史を思い出し、神の道を見いだすのだ。


 暴動や戦争、国際紛争が起こりそうなとき、かつてM.L.キング牧師やガンジーがいたことを忘れてしまう私たち。彼らとて人間なので、汚点を探したら私たち同様あるだろう。
 しかし、それでも彼らが命をかけて人類に伝えたメッセージに思いを向けないなら、歴史に示した神からの大事なメッセージを見失ってしまうかもしれない。

 アジア人であり、キリスト者以上にイエス・キリストの精神に従って生き抜いたかに見える人、ガンジー。彼の思想のすべてに同意しているわけでなく、私生活は疑問に思うこともある。しかし、私に勇気はないけれど、彼の生きた道の普遍的な面の回復、復興を願う。


インドの経済的自立への手段
 ガンジーの経済復興の手段の一つは、着物を自分たちで手作り出すこと。

 当時、イギリスの工場(インド内かイギリス本土内かは不明)で作られた美しい上質な着物をインド人たちも買って着用していた。そのおかげで、国内産業は衰え、イギリスの経済に依存するようになった。
 そこで、ガンジーは率先して英国製の美しい着物を拒否し、そのかわり自分で綿花を紡ぎ、素朴な着物作りを実践した。それで国内産業を興そうとした。

 では、現在の日本や米国はどうか。安い労賃を利用した良質な製品を中国で生産し、国内の失業者を増やし、経済格差を広げる結果になっている。一部の企業家が大もうけし、富が偏っている。
 これが自由経済なのだという。

 私も安い中国製品を利用している。では、高い国内産の製品を買ってまで産業を興そうとするだろうか。それは経済力が許さない。不器用な自分が作った着物を着て仕事にでかけるだろうか? そう簡単には行かない。
 
 では、「みすぼらしい生活は周りに迷惑をかける。複雑な時代になってしまった」と、諦めるほかないのか?
 ガンジーは、とてつもないチャレンジを、現代も私たちに投げかけている。
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 現代のイギリスの作曲家、「ジョン・タヴァナー」をご存知じでしょうか。存命です。
 バロック時代のやはりイギリスの作曲家、「ジョン・タヴァーナー」とは異なります。ややこしい。

 私がこの曲、『アーセンのための歌(Song for Athene)』知ったのは、ロンドンのウェストミンスター寺院で行われた故ダイアナ妃の葬儀の出棺のとき流れていたのを、たまたまYouUbeで聞いて衝撃を受けたことによります。

 作曲家は誰だろうとよく見たら、彼でした。彼のCDは二枚ほどもってはいましたが(交響曲第一番など)、まだ馴染めないでいました。

 少しずつ知ってくると、彼は東方正教会に改宗した作曲家だというではありませんか。
 その曲想は、神秘的と言われています。私は宇宙的な雰囲気にも思えました。SF映画に似合うような。
 
 まずは聞いて見てください。

 なんか、低音にうわーん、うわーんと響く声のようなものがあり、なんと東洋のお経のような雰囲気を醸しだしていますね。しかも、悲しみに満ち、敬虔な思いに満ち、荘厳、厳粛な雰囲気で満ちています。
 ところどころに交じる不協和音が強烈な印象、違和感、ハッとするような覚醒を招きます。

 歌詞は以下のよう。

Alleluia.
May fights of Angels sing thee to thy rest.
(アレルヤ、戦いの天使たちが、あなたに安息を歌わんことを。)

Alleluia.
Remember me, O Lord, when you come into your Kingdom.
(アレルヤ、私を思い出してください、主よ、あなたが神の国につくときに。)

Alleluia.
Give rest O Lord, to your handmaid, who has fallen asleep.
(アレルヤ、安息を与えたまえ、主よ、あなたの創られし者に。眠りにつきし者に。)

Alleluia.
The choir of saints have found the well spring of life ,
and door to paradise.
(アレルヤ、聖徒たちの聖歌隊が、命の泉の井戸を見つけた。そして天国へのドアも。)

Alleluia.
Life: A shadow and a dream.
(アレルヤ、人の命は、一つの影、一つの夢。)

Alleluia.
Weeping at the grave creates the song: Alleluia!
(アレルヤ、墓前で流す涙は、歌を創りだす。アレルヤ)

Come enjoy rewards and crowns I have prepared for you!
(来たれ、私がそなたに用意した報酬と冠を楽しめ!)(●)

Alleluia...(アレルヤ)


 演奏は、静かに、静かに、厳粛に始まって悲しみを歌い上げ、最後の(●)のフレーズで、すべての宗教曲がそうであるように長調に転調し、最高に盛り上がって、喜びと希望を指し示します。
 そして最後の静かなアレルヤに回帰して、現実に戻り、静かに終わります。

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 歌詞はロシア正教の祈りとシェイクスピア作「ハムレット」から採用しているそうです。
 タヴァナーはこの曲を、交通事故で亡くなったアーセンという名の女性を偲んで作曲したそうですが、それが同じく交通事故で亡くなった故ダイアナ妃の葬儀(音質悪し)で、世界中に流されたわけです。

 今月は敗戦記念日があり、戦没者、被爆者の悲劇を思ったり、25年前に起きた記憶に新しい日航機事故の死者ことも追悼する月です。

 以下は、別な演奏ですが、より静粛で、気持ちのこもった演奏に思います。映像も、音質もなんとも美しい。
 音量が小さいので、イアフォンで聴くか、ボリュームを上げないとよくわかりませんが、荘厳で、厳粛な追悼の思いに誘われます。

 合掌。


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e0079743_13152646.jpg iPadによる電子書籍もよさそうですが、読書専用として目の疲れにくい 「Kindle」のほうを私は期待し、本命だと思っています。

 ただこれまで、まだまだ値段が高く、デザインもいまいち。日本の市場での一般的普及は苦しいのでは?
 そこで、今回(先月末公表)の改良型に注目しました。アメリカ情報です。

 新キンドル情報(キンドル情報をまとめて読めます)
 
英語用モデル
 大きめの「DXモデル」の新型はしばらく前に発表がありましたが、
 今回は標準モデルの「6インチ」サイズの新型。

 大きさ:20%縮小(画面は6インチのまま)
 重さ:15%減少
 活字の読みやすさ(コントラスト):50%増し
 動作:20%アップ
 書籍の保存:3500冊(4GB)
 駆動時間:最大 1か月(無線不使用)、10日間(無線併用時)
 値段:189ドル 3G版
 WiFi 接続のみのモデル:139ドル
 機能の改良:PDFリーダー、辞書引き、ノートやハイライト追加
 (この機能はいい! 辞書(現状では英英辞書)も引けて、ノートが書けるとは!)

予約殺到
 私だったらWiFiモデルで充分。値段もこなれてきました。
 米国での発売は8月27日ですが、最新ニュースによると予約殺到で在庫切れ。
 出荷が9月を超えてしまうそうです。大変な売れ行きが予想されます。

日本語対応版はまだ不透明?
 日本での発売は今年中という情報をかなり前に聞きました。日本語対応はどうなるでしょうか? 私はIT情報にうといので、その後、この点についての情報は知りません。

 日本でのキンドルの発売があれば、いよいよ電子書籍化の大波がやってきます。

 キリスト教界の出版社も情報収集し、準備中でしょうが、肝心な点は、こうした装置「リーダー」がどれだけ普及するかですよね。同じEインクによるソニー製の「リーダー」も期待しています。今後、どう出るでしょうか?

 いずれにしても、都会人にとっては魅力だな〜。車内で読める。旅行にも持参できる。読者層も新たに増える可能性が高い。(携帯での読書は、すでにかなり普及していますが、ほとんどが「成人向けマンガ」らしいです)

 出版界としては、紙の本の需要もまだまだあるので、両者併存がずっと続くでしょう。
 そのへんが出版社の工夫と研究のしどころです。
(コメントのはちこさん情報ですが、今回から日本語フォントにも対応したそうです。)

iPadは?
 キリスト教関連では、聖書百科事典、各種辞書、スタディバイブル、図版資料集、雑誌類を期待しています。(ここ、二、三年で続々と出版されるかも)

 でも、ただ一般個人がiPad(高価)とKindleの二台持つことは、もったいない気がします。目的がはっきりし、仕事で使用するなら別ですが。
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e0079743_16541863.jpg この本は、ご存知の方も多いでしょう。
 ほんとにタイトルどおり役立ちます。

 知って役立つ『キリスト教大研究』 430頁 アマゾンでの読者評も参照。

 ふつう、教会のどれかに通い始めると、転勤、引っ越しでもない限り、ほぼ同じ場所に集い続けることになると思います。そこで、自然に他の多様な教会、教派の伝統に触れる機会は少なくなります。

 もちろん、関連月刊誌、新聞など、定期購読すればいろいろと視野も広がりますが、個人がそれをするとなると困難。

 著者の八木谷さんは信仰者でなく、第三者の立場で教会ウオッチング。そこで気づいた特徴、雰囲気、伝統、歴史なども、びっくりするくらい詳細に調べ、驚くくらい正確に記述していらっしゃいます。
 難解で詳しすぎるということもなく、文庫版ですから場所もとらない。キリスト教2000年の展望をざっと見ることができます。

 昨年発刊した業界誌『Ministry』は、なんと八木谷さんを執筆者に指定。
 自分では気づかない、他人が見て初めて気づく自分たちの特徴、言葉使い、行動形態。
 外にいる人の観察の助けを得て、自分の相対的な位置を知ることができます。

 中にあるたくさんのイラストが、かわいくて良いです。プッと思わず吹き出しそう。

 所有して何年もたち、いつも机脇に置いて重宝していますが、私が本書を通して初めて知ったのは、教派によって「十戒」の戒めの数え方が異なる!
 十個あるにして、どれを一つと数えるかの範囲が異なるんですね。

 面白いな〜。こういうのが前から欲しかったです。
 こういう本を書くのは学者には無理だね。
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 いまや『もしドラ』と言われる『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーを読んだら』(岩崎夏海著 ダイアモンド社)は、ご存知の方もたくさんいると思います。売れ行きは、48万部を越えたらしいです。

 ユニークな可愛い漫画をカバーに使った驚きの装丁。しかもお堅いビジネス書の出版社がなんでだろう? と驚きの反響を呼び(ある意味それが成功した)、ついには最近、NHKテレビの報道番組でもとりあげられました。これに連動して、ドラッカー本のリバイバルが!(写真は近くの有名書店の展示)

 ドラッカーについては、前にブログで取り上げたことがありましたが、しばらく読んでなかったので、恥ずかしながら購入して読みました。

 感動しました!!(大声)

 たいへんよくできた青春ドラマ仕立てのドラッカー入門書。

 私はiPhone版を電車内で読んだ後、感動のあまり三冊購入して、「読んでほしい」と思われる」友人にプレゼントしました。

 そしてきょう、二回目を読了しました。電車の中で感動で涙を流しました。(←単純。笑)
 人間の成長のドラマにもなっています。
 それほど深い人間理解に根ざした展開です。感心してしまいます。映画化も可能に思いました。

 マネジャーが人を見るときの第一の基準は、能力ではなく、その人の「真摯さ」だとありました。英語は何かを調べたら、これが、「インテグリティ(integrity)」なんですね。

 「真摯さ」も悪くないですが、「心の態度、気力、気合い、本気度」のような感じがします。私の中では、「誠実さ、言行一致、人格の統合性」というほうがピンとくる。

 これは、イエス・キリストの人格を表すときにも使われる代表的な要素。親近感が湧きました。

 およそ、人と協力して働いている人なら、皆が読むといいと思いました。
 おもに企業経営に適用されているでしょうが、すべて適用できるとは言えなくても、ドラッカーの人間洞察はどんな共同体でも活かすことのできる知恵の書。最高の入門書が生まれました。

 ドラッカーを読んだことのない人は、ここから入ったらどうでしょうか。
 人生や人間関係が豊かに変わるかも知れませんよ。(実行すればですが。。。)
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e0079743_22435257.jpg ブログ記事で書いた関連本の邦訳が出ていました。
 今年の三月末。知りませんでした。

 イスラエル内と、ヨーロッパでかなりなセンセーションを呼び起こしたようですね。

アマゾンのサイトから抜粋

「聖書時代から現代まで、世界の常識を根底から覆す歴史的大作
 世界15ヵ国で翻訳され、欧米で衝撃のベストセラー」

「2008年初めに出版されたとき、本書は「異様な」と評してもいい受けとめ方をされた。
 本書は電波メディアから強い関心をもって迎えられた。これに対し、周囲の歴史学者の世界は、本書に向ってアカデミックな突撃のときの声をあげた。
 そして、ことさら激越なシオニストのブログ上で、私は民族の敵として指弾された。
 なんと19週にわたって、本書はベストセラーの「ヒットパレード」に数えられた。「日本語版への序文」より」
(大丈夫かな、この翻訳。汗)

『ユダヤ人の起源』歴史はどのように創作されたのか(Amazon)

朝日新聞に書評にも、反シオニズム論の新刊ラプキン著『トーラーの名において』と合わせて載りました。

書評『ユダヤ人の起源』(asahi.com)

 新聞の書評は、『トーラーの名において』についてこう解説しています。(抜粋)

(著者)ラブキンは、現在のイスラエルにおいて、ユダヤ教の立場からなされるシオニズム批判に焦点を当てている。真摯なユダヤ教徒にとって、シオニズムは神を裏切るものであり、ユダヤ教史上、最大の敵である。彼ら(ラプキンら真摯なユダヤ教徒)は政治的には保守的なのだが、イスラエル国家そのものを否定するという点で、左翼的な批判者と一致する。以上、両書を併せ読むことで、現代世界における最も深刻な問題の一つに関して、より包括的な理解が得られよう。

 値段も高く、ページ数もありますが読んでみたいな〜。
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e0079743_13422040.jpg 趣味全開の記事ですみません。

すごいぞ川崎シンフォニーホール
 先月、コンサートに行ってきました。川崎駅前のホール。私は初めてです。
 川崎市は音楽の街というコンセプトで、文化都市に変身中。このホールは五年前に完成しました。

 入ってみてびっくりしたのは、客席とオケがぐっと近くに感じられることです。すり鉢型というか、舞台が一番下のようになっています。一階の最前列は、オケをほんの少し見下ろす感じで、今までにないアットホームな雰囲気。客席は舞台をめぐって螺旋状に配置されています。(演奏中撮影禁止なので、合間に撮影)

 世界有数のオーケストラが来ては、その響きの素晴らしさに驚き、「文化遺産です」「私の国に丸ごともって帰りたい」「川崎市民は幸せです。大事にしてください」「来日公演の際には、必ずこのホールを組んでほしい」と言われるほどとか。こんなホールが日本にあったのですね〜。

音大生によるオケ
 コミック『のだめカンタービレ』で一躍、注目されるようになったかどうか知りませんが、都内の八つの音大がペアになって、全四回のコンサートを行います。前半と後半を別な大学が受け持つ企画です。
 「第1回 音楽大学オーケストラ・フェスティバル」入場料は千円!

 この日は、武蔵野音楽大学(ハイドン「天地創造」一部)と桐朋学園大学(ラフマニノフ交響曲第二番)の組み合わせでした。
 ラフマニノフのこの曲は、第三楽章が有名。ヨーロッパ的幽愁というか、哀愁というか、心がせつなくなってきます。しかし、美しいことこの上ありません。何年か前のテレビドラマの主題音楽にもなってます。

 彼は、この曲を作る約10年前、交響曲第一番を発表しましたが酷評を受け、どん底に落ち込み、二年くらいの期間、生きる意欲を失うほどの欝状態が続きました。その後、精神科医の治療で元気を回復し、代表作ピアノ協奏曲第二番で大成功をおさめました。この交響曲は、起死回生の復活をとげたのち結婚し、二人目の子供も授かった頃の幸福な時代に作られたそうです。

 この楽章だけで、14分くらいかかり、たっぷりと情緒あふれる世界を展開。その心は「悲しみ」「諦念」「郷愁」「回顧」「追憶」「後悔」「なぐさめ」「憧れ」「望郷」「静かな感謝の念」とも取れますが、作曲家本人は何を表したかったのでしょう。
 以下の動画はN響、アンドレ・プレビン指揮(この曲の全曲演奏と普及で名高い)。私が聴いたのより遅めのテンポで、名演です。

 この第三楽章には、一箇所だけクライマックスがあり、ちょうど全体の半分くらいきた7分少し過ぎに、それが訪れます。この楽章全体がそれに向かってゆっくりと盛り上がり、いよいよ最強音の頂点を迎えます。しかし、それは波が引くかのように一瞬にうちに終わってしまいます。そして、その出来事を振り返りつつ、思いめぐらしつつ、懐かしみつつあるかのように、ゆるやかに終息に向かって行きます。
 私には、後半に「もう一度クライマックスに回帰して聴かせて欲しい。そう編曲してくれないか」という強い願いがありますが、その願いは空しくも叶えられません。

 聴いたのは晩秋の季節でしたが、暮れていく今年のことを思い、いろいろな出会いと別れを振り返りつつ聴くこともできます。せわしい師走。ここてしばらく立ち止まり、黙想しながら時の流れに身を置いてみるのもいいかもしれません。

 動画は最後の途中で切れますが、続いて聞きたい方は、4楽章とつながっているここををクリックして聞いてみてください。



 音大生による演奏は、練習を十分に積み、一所懸命に演奏している姿がよかったです。演奏もとても凝縮性の高い、統一のとれたもので文句無し。ソロも大学生、しかも指揮者は一流揃いでした。
 
 この内容、この値段、会場の素晴らしさ。今回は教会の高校生(男子)を招待し、一緒に楽しみました。彼はクラシック・コンサートは初めての体験で、途中でこっくりしていましたが、とても喜んでくれました。

 こんなことなら、来年も来なくっちゃ。
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e0079743_1582526.jpg 教会の牧師からある本を紹介されました。今月初めの発行。

劇画『死線を超えて』--賀川豊彦がめざした愛と協同の社会(発行:家の光協会 1,143+税)

賀川の働きを概観
これはとってもいいです! マンガですから容易に読めてしまいます。賀川が、社会運動、労働運動、社会福祉で、いかに大きな貢献をしたかを、彼の人生を追ってたどることができます。
 中学生、高校生などにもぴったり。私もやっと彼の働きの概要を知ることができました。図書館に行って膨大な資料(全集)を読まなくても、この本でかなり理解できると思われます。

e0079743_1583618.jpg 国家が近代化を進めていくなかで、農業、漁業などの一次産業で大半を占めていた国民のなかから、大量の工場労働者、肉体労働者が生まれます。彼らはなんの生活保障もないために、病気になったり、工場でけがしたり、景気が変化したりすると、簡単に職を失うことが多かったようです。農村での貧困、とくに小作人の生活も底辺をあえいていました。

 都会や工場の労働力として懸命に働いた人々は、荷重な肉体労働ゆえのストレスから、飲酒、暴力、ギャンブルへ流れることがめずらしくなかったようです。そして、まますます貧しくなる悪循環。いちばんのしわ寄せは子供たち(現代でも同じ)。賀川はこれを元から正そうと奮闘します。

 彼のキリスト者としての献身的な姿勢、牧師としてのあり方、生き方は、さまざま迫害、力への誘惑があっても一貫していて不変。本当に圧倒されます。

神の国の福音に従った生き方
 彼の根底にある教会論として本書が紹介していたのは、次のようなもの。

「教会は、形より内実、本質が大切で、伝道者は教会の中で本を読み、内部の人に語るだけではなく、社会の中に出ていって貧困、飢餓、病気、差別など、苦しんでいる人々と共に歩むべきである」

「教会とは、ただ信者を増やし、立派な建物を建てることだけではなく、日本の社会を新しくするために呼び出された者の団体である」

 誰でも参加できるか別にしても、まさに「神の国運動」ですね。

 71歳で天に召されましたが、その直前の祈りはこうだったそうです。

 神よ
 教会を強めてください
 日本に救いを
 世界に平和を
 来らせてください。 アーメン。

一貫した平和主義、非暴力思想に貫かれた祈りだと思います。
彼の生涯に興味がある方は、ぜひ手にお取りください。感動的です。
私は10冊くらい購入して、友人、若者にあげたいくらい。
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 牧師の中に、日本人の精神性を理解するために仏教を専門的に学んだり、また元僧侶だった人が牧師になったりすることがあります。私も日本人のごく普通の精神風土で20代なかばまで育ったので、自分がそれまで受けてきたものは何だったのか、興味があります。

 以下の動画は、ある中堅の禅僧が現代の日本人の心の問題を語ったもので、とても言語明瞭、理解可能な言葉で語ってくれています。時間がある方は、ぜひお聴きになってみてください。

 全五回、各10分の長さで、放送は2006年。いじめ、虐待、家庭内暴力、ホリエモンの逮捕、自殺者の増加などの時代背景で語られています。ここには、なかでも中心的なものと思われる二つをリンクします。

 以下の第三回は、「いじめ」「高度成長期と豊かな時代の精神性」「自己存在をめぐる闘争」「存在が肯定される必要」「人はなぜカルトに走るのか」「ホリエモンの求めたもの」などのスピリチュアルな問題に触れています。



 以下の第四回は、「個」「わたし」「宗教の必要性」「日本の共同体の特質」「キリスト教が下地の欧米人の意識」「自殺をしてはいけない理由」「無意味を生きることに意味がある」「仏教はどう答えるか」などが話題。



4:20秒の「『教え』なんですから、まに受ける必要はないんですよ」という発言に腰が抜けました。これを、キリスト教の「教理、教義」とすると、キリスト教では物議をかもしそう。ただし、独裁的指導者による教えであれば、この指摘はキリスト教内でも通用しそうです。

ちなみに、

第一回は動画の途中から登場し、全体の序論。

第二回は「存在の不安」「生存の不安」「行きることへの不安」「なぜ生きるのかの問いと向き合い続ける」「いじめをする側の問題」

第五回は、「生きるべきか死ぬべきかの選択」「自殺者は死にたいのでなく、生きるのが困難」「大人自身が生の実感に乏しい」「聖なる空間の喪失」「子どもが子どもであることを認める大切さ」

などをめぐって語っています。

日本の伝統的な宗教者で、これだけ明晰に現代日本人の精神性に切り込んだ発言をしている人を初めて知りました。

 お時間のある方は全部を聴いても、とても参考になると思いますし、「現在の日本人が置かれている精神風土とは何か」、その中で、「キリスト者であるとはどういう土台に立つのか」を、この対談を鏡にして顧みると、とても有益だと思われます。

 それにしてもこの禅僧さんの明晰性は、西洋の哲学・思想書(キリスト教系)をたくさん読んてきた背景があるに違いないと感じます。

出演は司会:宮崎哲弥氏(評論家)
  禅僧:南直哉氏(恐山の院代)
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