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宣教師が始めた驚きのユース・オーケストラfromベネズエラ

 先週の金曜日の晩、何の目的もなくテレビをつけたら、しばらく前、新聞で読んで注目していたユース・オーケストラの番組が。ラッキー。
 その演奏のすごいこと、濃いこと。若さの爆発した高エネルギーのパフォーマンスに圧倒されました。

 簡単には覚えられない名前です(なんとかならないの?)。昨年末、都内、池袋での演奏会を録画したものでした。
宣教師が始めた驚きのユース・オーケストラfromベネズエラ_e0079743_14461830.jpgシモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラ日本公演

ベネズエラという国
 ベネズエラは、世界有数の油田がある国。長い間、軍部の独裁政権が支配していて、貧富の差の拡大しています。調べてみると、貧困層の子供たちの励みにオーケストラを作って育成しているのだとか。国内に約220の子供オーケストラがあって、25万人の子供たちが参加しているのですって。すごい。
 今回来日したオケは、14才〜25才の年齢層の選りすぐりメンバーで作っています。総勢200人だから音量も並ではありません。

世界が注目する若手指揮者
 指揮者のグスターボ・ドゥダメルは、14歳のとき、すでに室内オケの音楽監督に就任しています。2004年、マーラー国際指揮者コンクールを25歳で優勝。今年は、ロサンジェルス・フィルの主席指揮者になるらしいというから驚き。現在は、29歳か。
 以下の画像は、放送したのと同じチャイコフスキーの交響曲第五番から最終楽章のフィナナーレ。チャイコさんは、躁うつ気質の音楽を書きますが、ここは躁気分の大いに高まっているところ。この動画は、隠しカメラで撮ったみたいで音質はよくなく、映像も不安定ですが、熱気を伝えるには十分。8分以上あります。(時間がない方は5分以降がお勧め。早送りでなく、ほんとにこのテンポで演奏してるのです。)


熱狂のアンコール
 以下は、アンコール。日本の聴衆もめずらしく熱狂したレナード・バースタイン作曲『ウェストサイド物語』の「マンボ」。日本でのアンコールは、このような衣装は着ていませんでした。
 まるで、「のだめカンタービレ」ですね。いや、のだめのほうが真似したのかも。



 日本での演奏会の初日の盛り上がった模様は、以下のブログで雰囲気をかなり知ることができます。
さとなお.com

 私としては、いつもハイテンションな音響を聴き続けることは困難ですし、ものめずらしさや大衆受けする大げさな演奏で終止するなく、商業主義に飲み込まれることなく、真の音楽の深みを求めて成長していただければ素晴らしいと思っています。

宣教師が始めた非行防止活動
 ネット百科事典、wikipediaによると、始めはカトリックの二人の司祭・修道女が70年代に始めた非行防止のための運動らしいです。
 経済的に貧しい背景で育ったサッカー選手もそうですが、世界的な名声と富を手にいれたとき、次に襲ってくるさまざまな誘惑にどう対処するかが、これから課題でしょう。このユース・オーケストラは、いまや宣教師の手は離れ、国家政策になっているでしょうが、「何のための音楽か」という課題に、やがてぶつかるでしょう。
 名声や富でない、音楽を奏でるための究極の目的を発見できるようにと願うものです。

 それにしても、すごいもんだ。重苦しいハイソな音楽というイメージをぶち壊したラテン系クラシック音楽と言えるでしょうか?