20世紀の宗教書100選 パート(5)No70-66

『クリスチャニティ・トゥデイ誌』が選んだ宗教思想書100選シリーズ第5弾です。邦訳を発見する調査がなかなか大変。訳されてないのもありますし。
各書の解説は、ネット上の資料をもとに、自分なりに短くまとめたものです。
本タイトル冒頭の番号は、「パート(1)のベスト10」以外順位ではありません。残り何冊かを示すためです。

e0079743_16284914.jpg70 『アルコホーリクス・アノニマス』 (A5版 3000円 625ページ)
The Big Book of Alcoholics Anonymous

 1939年に初版が発刊。世界中に普及していて、アルコール依存症からの回復への力となっている。第一部が解説、第二部に個人の回復の物語(体験談)を収録。
 訳本はサイズによって三、四種類あるらしい。ポケット版から大型版まで。邦訳のコンパクト版には、第二部は省略してある。人間の力を超えた存在を認め、自分の無力を認めることから始まる12ステップの手法は有名。
 日本のAAの組織の出版物一覧がある。AA関係書籍一覧

69 アーネスト・ベッカー著『死の拒絶』(平凡社 470ページ 邦訳1989)
 The Denial of Death by Ernest Becker

 古本でしか手に入らない模様。文化人類学者による考察。1974年ピュリッツアー賞受賞。
 人はなぜ死を恐れ、それを拒絶しようとするのかといテーマを、フロイト、ランク、キルケゴールらの思想を手がかりに深める。死があるのに、人間はなぜ存在し、生きていかねがならないのか。人間の本質、生きることへの意味について、今日も光を与え続けている書。

68 ロバート.N.ベラー他著『心の習慣』─アメリカ個人主義のゆくえ(みすず書房 420ページ 邦訳1991 価格: ¥ 5,670)
 Habits of the Heart by Robert N, Bellah et al.

 アメリカ中産階級の200人余りにインタビューし、「個人主義」という「心の習慣」をそこに発見する。 その一つが、功利主義的個人主義で、「この世は勝てばいいんだ」という外向きの個人主義。もう一つは、表現主義的個人主義で、「自分さがし」という内向きの個人主義というもの。この二つの個人主義が、アメリカの原則的自由主義と競争社会を支えてると見る。「みんなが努力すればよくなる」というの考えの裏で、弱者が切り落とされる現実。経済中心のアメリカ社会が招く危機を指摘し、人々の互いのケアが大切だと主張。

e0079743_16283270.jpg67 第二バチカン公会議公文書解説全集(監修南山大学 中央出版社 68-69年 全7巻あるが、各600-800ページくらいある。現在ほぼ品切)
The Documents of Vatican 2

 その中で手に入るのは、第7巻『公会議公文書全集』の中の日本語のみを収録した『第二バチカン公会議公文書全集』(中央出版社 1948円 437ページ 1986年)

 解説は、ウィキペディアで。たいへんな量の文献だが、数十年たっても重要であることに変化なし。第2バチカン公会議
 もう何年かしたら、第3バチカン公会議が開かれるとか・・。

e0079743_18191661.jpg66 ドロシー・デイ著『長い孤独』(邦訳無?)
The Long Loneliness by Dorothy Day

 日本のキリスト者の間で、あまり知られていないよう思えるが、世界的に大変有名な20世紀の女性社会活動家。カトリック教徒。若い時期に無神論者であったが、のちにキリスト教的社会活動家となり、カトリック労働者運動(Catholic Worker Movement)の創立者となった。ウィキベディアを参照。ドロシー・デイ(1897-1980年)

 ドロシーは無神論者だった若い頃、同じ共産主義の活動家との間に子どもを設ける。しかし、自分が生んだ赤ちゃんを抱いたとき、人間存在に対する畏敬の念にとらえられ、思わず祈りにうながされ、信仰をもつにいたる。その結果、パートナーに棄てられる。その後、彼女は子どもを抱えてのシングルマザーとして、「長い孤独」の旅を始める。
 絶望的な状況で、長いあいだ祈り求めていく中で、ニューヨークである人と出会い、社会活動家としての生活を始める──。
 本書は彼女の自伝。どうやら邦訳はないらしい。もったいない。

 絶望の中での祈り(japan-lifeissuesのサイトでデイの半生を短く紹介。上の文はここを参照したもの)
 ドロシー・デイを描いた映画もあるらしいが、探しても不明。
 知っている人がいたら教えてください。

20世紀の宗教書100選 パート(2)No90-81
20世紀の宗教書100選 パート(3)No80-76
20世紀の宗教書100選 パート(4)No75-71
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