マンガ賀川豊彦『死線を越えて』

e0079743_1582526.jpg 教会の牧師からある本を紹介されました。今月初めの発行。

劇画『死線を超えて』--賀川豊彦がめざした愛と協同の社会(発行:家の光協会 1,143+税)

賀川の働きを概観
これはとってもいいです! マンガですから容易に読めてしまいます。賀川が、社会運動、労働運動、社会福祉で、いかに大きな貢献をしたかを、彼の人生を追ってたどることができます。
 中学生、高校生などにもぴったり。私もやっと彼の働きの概要を知ることができました。図書館に行って膨大な資料(全集)を読まなくても、この本でかなり理解できると思われます。

e0079743_1583618.jpg 国家が近代化を進めていくなかで、農業、漁業などの一次産業で大半を占めていた国民のなかから、大量の工場労働者、肉体労働者が生まれます。彼らはなんの生活保障もないために、病気になったり、工場でけがしたり、景気が変化したりすると、簡単に職を失うことが多かったようです。農村での貧困、とくに小作人の生活も底辺をあえいていました。

 都会や工場の労働力として懸命に働いた人々は、荷重な肉体労働ゆえのストレスから、飲酒、暴力、ギャンブルへ流れることがめずらしくなかったようです。そして、まますます貧しくなる悪循環。いちばんのしわ寄せは子供たち(現代でも同じ)。賀川はこれを元から正そうと奮闘します。

 彼のキリスト者としての献身的な姿勢、牧師としてのあり方、生き方は、さまざま迫害、力への誘惑があっても一貫していて不変。本当に圧倒されます。

神の国の福音に従った生き方
 彼の根底にある教会論として本書が紹介していたのは、次のようなもの。

「教会は、形より内実、本質が大切で、伝道者は教会の中で本を読み、内部の人に語るだけではなく、社会の中に出ていって貧困、飢餓、病気、差別など、苦しんでいる人々と共に歩むべきである」

「教会とは、ただ信者を増やし、立派な建物を建てることだけではなく、日本の社会を新しくするために呼び出された者の団体である」

 誰でも参加できるか別にしても、まさに「神の国運動」ですね。

 71歳で天に召されましたが、その直前の祈りはこうだったそうです。

 神よ
 教会を強めてください
 日本に救いを
 世界に平和を
 来らせてください。 アーメン。

一貫した平和主義、非暴力思想に貫かれた祈りだと思います。
彼の生涯に興味がある方は、ぜひ手にお取りください。感動的です。
私は10冊くらい購入して、友人、若者にあげたいくらい。
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